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暗渠

2008-02-06

追ってくる女(8)

| 19:22 |  追ってくる女(8) - 暗渠 を含むブックマーク はてなブックマーク -  追ってくる女(8) - 暗渠

http://pretend.g.hatena.ne.jp/culvert/20071219/1198035369から



正直足が重たかった

俗に言う修羅場とは別だがしつこい勧誘を断りに出向くような

ああ面倒だな私の人生

ラウンジで待ち合わせ軽く食べながら談笑

適度に距離をとる相槌を繰り返し重ねていく

ひとつひとつ慎重に間違えないように

泊まりや好意を連想させる事を一切言わない

話していて自分でも冷たいと感じる

ここでご飯を食べたら常考シリウス

友達は気になった女を落とすならここと何度も言っていた

あんな高いトコ行けないよと返していたがまさかこんな形で来る事になるとは

彼女モードが変わった



アン:「今付き合ってる人いないんでしょう?じゃあいいじゃん」

クル:「ん~当分誰とも付き合う気ないよ好きな人もいないし」

アン:「なんで私じゃダメなの絶対好きにさせるよ」

クル:「そんな事言われても今付き合おうっていう気にならないんだもん仕方ないじゃん」



熱くなるな感情的になるな感情を出したら相手は付けこんで来る

未来に期待を持たせるな今日で全部終わりにするんだ

相手にダメージを与えるな泣かれでもしたら厄介だ

全て受け流して時間切れを狙いつつ少しずつ切り落として行くんだ

同じような台詞を互いに返しつつ数十分が経った

膠着している状態に苛立ち始めたのか



アン:「私はこんなに好きなのに」

アン:「また何するかわかんないよ」



ゾッとする脅しかこんな口説き文句は初めてだ

こちらもいい加減消耗し切っている



クル:「どうしても好きになれないんだごめん それは変わらないよ 僕以外にいい人なんていっぱい居るよ」

アン:「せっかく二人で過ごせると思って部屋取ったのに」

クル:「今度は僕じゃない人とおいで さてそろそろ帰るよ」

アン:「・・・もう会えないの?」

クル:「うんもう会えない会う気はないよ」

アン:「そっか・・・さよなら」

クル:「うんバイバイ」



長い長いエレベータを降りる

途中誰も乗ってくる人はいなかった

私をいつもの地に足着いた現実へ連れ戻すかのような鉄の箱

遠くなる最上階に過ぎ行く階層が今までの事が夢だったかのように流れて行く

チンと音がなりドアが開く

大理石フロアに私の足音と首を鳴らす音が響いた