Hatena::Grouppretend

暗渠

2007-12-19

追ってくる女(7)

| 12:36 |  追ってくる女(7) - 暗渠 を含むブックマーク はてなブックマーク -  追ってくる女(7) - 暗渠

http://pretend.g.hatena.ne.jp/culvert/20071218/1198031155から



不思議な程落ち着いていた

さっきの動揺が嘘のようだった

かしこれでひとつ自分の手立てが失われたのは確かだ

分が悪すぎる

わからないという事がこんなに怖いものだとは思わなかった

その認識だけが今は頼りなのかもしれない

こちらから何かできない以上は待つしかない

自宅に戻ってからアンさんのブログメアドを片っ端から検索エンジンに掛けるが何も引っ掛からなかった



翌日は気分が晴れていた

いつも以上に仕事をこなして会社を出た

会社エントランスを出たところにアンさんが居た



アン:「終わった?おつかれ~」

クル:「お疲れ?」

私は怪訝な表情を隠せなかった

アン:「そんな顔しないでよ近くまで来たから寄ってみただけ」

クル:「ああ そうなんだ」

アン:「近くのホテルに泊まってるんだ来ない?」

クル:「え?いや用があるんだこれから」

アン:「ふーん?彼女?」

クル:「え?いや友達」

アン:「じゃあいいじゃん私と遊んでよ遠くから来たんだし」

クル:「あ ああじゃあその辺でご飯だけ」



私は彼女に迷惑だからこれ以上関わらないで欲しい事を伝えた

実樹の事は聞かなかった



翌日会社の受付の人から手紙を渡された

アンさんからだった

便箋で5枚

目を通してシュレッダーに掛けた



----



一年前のお話

相変わらず実樹の行方はわからない

ネットにもリアルにも彼は居なくなってしまった

アンさんの下へ行ったのか

それとも単にイヤになって今の暮らしを捨てたのか

もうこの先知る術はないのだろう

先日私は誕生日を迎えた

0時丁度に登録されていない携帯番号から電話があった


???:「もしもし?クル?」

クル:「はいそうですけどどちら様ですか?」

アン:「私よ私忘れちゃったの?アンよ?」

クル:「え?なんで?どうしたの?」

アン:「あれからね一年でしょ?」

クル:「そうだね・・・?」

アン:「一年で自分を磨いたのあなたに相応しくなるように」

アン:「それでね電話しようと思ってたの相応しくなった私に会ってほしくて」

アン:「横浜ロイヤルパークに居るから会いましょ?」

クル:「唐突だね・・・」



冷や汗が止まらなかった

相手の理屈がよくわからない

過去記憶走馬灯のように恐怖と共に回り始める



http://pretend.g.hatena.ne.jp/culvert/20080206/1202293326